え~
師匠がJGTO(日本ゴルフツアー機構)の会長に選任された。
男子ツアーの活性化に向けて
各界から期待されているようだが、
おれは心配でしょうがない。
会長職が務まるのかとか、
ツアーを盛り上げることができるのかとか、
試合数を増やせるのかとか、
そんなことは二の字である。
おれが心配していのは、
あれだけゴルフが大好きで、
ゴルフのことしか考えていないくて、
とにかくゴルフをやっていたい人なのに
今後プレーする機会が減ってストレスが溜まるんじゃないかと…。
それに、プレーの結果じゃない部分で
期待をされているわけだから余計に歯痒いんじゃないかと…。
ある程度の覚悟があったにせよ、
担ぎ上げられた神輿は
自分の行きたい方向へは進めない。
これまでゴルフに関しては、
自分で好きな方向を選んで歩んでいた人だ。
自分のゴルフだけなら全ては本人の責任で終わるけど、
今後は周りから
「こっちに向かいましょう」
「あっちにも進んでみましょう」
と言われて、訳がわからなくなるんじゃないかと…。
まぁ~でも、
青木功は他のどんな人よりも
人に任せるのが上手い人でもあるし、
任せた以上は文句を一切言わない人でもある。
そういった意味では担ぎ手が道を間違わなければ、
あんなに素晴らしい神輿はない。
いつだったか、おれにこんな話をしてくれたことがある。
「ダイスケ!!、諺に『実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな』ってあるだろ」
「昔、先輩プロに言われたんだけど、最近やっと分かった気がするんだ」
「どんなに強くても謙虚な気持ちを忘れたらダメなんだよ」
それを聞いて
この人は自分のゴルフに関してはあんなにも頑固なのに、
それ以外はどこまでも純粋なんだなぁ~っと感じた。
きっとこれからはJGTOの会長という立ち位置で、
色んな場所で頭を下げるんだろうけど、
おれは今よりもゴルフが出来なくなるのが心配でしょうがない…。