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【バッグを担ぐだけじゃないの!?】プロゴルファーを支えるツアーキャディの役割はとは?

トーナメント裏情報

「JELD-WEN Tradition」2日目

昨日練習したパットがどのような結果に繋がるかは始まってみないと分からないが、二人の中で「やるだけの事はやった」という満足感は残っていた。

しかしゴルフゲームというのはそんなに上手くいかない。しっかり練習をして、万全の気持ちでスタートしても、一つのミスや結果に腹を立て、それからまだ残りホールがあるのにも関わらず、引きずってしまったりする。

そんな時、そばにいるキャディがどれだけプレーヤーの気持ちを変えられるかが、キャディ仕事でもあるし、力でもあると思う。そんな意味で俺は、常にプレーヤーの気持ちを考え、最善であろう言葉(アドバイス)を考えてバックを担いでいる。それが上手くいった時の喜びは、表現できないくらい嬉しい。

もちろん正確なヤーデージ、クラブ選択、そしてパットのラインも大切だけど、プレーヤーにとってキャディーの一言がどれだけの力をもつかは、俺もプレーヤーとして経験している。アマチュアの方もキャディさんに「大丈夫。がんんばって」と一声かけられれば、悪い気がしないであろう。

トータル2オーバー、52位タイからのスタート1番ホール。フェアウェイの真ん中100ヤードから、まさかのボギー。

ここでキャディの一言が効く。プレーヤーの性格やプレースタイルにもよるが、師匠の場合は気落ちしている時こそ、怒らせるの一番良いと知っている。言葉選びは中々難しいのだが、この時はストレートに「青木功のプライドをみせて下さい!」と言った。(実はこんなことを言うのは凄く怖い…)

でも、本人は「はっ」としたのか2番のパットを打つ時から、目つきが変わった。5番ホールでバーディを取ると、続く6番もバーディ。そして難しい7番ショートでも厳しいのを入れてで3連続でバーディ。

8番でラフに捕まってしまいボギーにするが、この日の師匠はちょっと違う。9番で再びバーディを取り返したのだ。

前日のラウンドでは10番から14番まで4連続ボギーだったので「ここからティショット気を抜かないで下さいね!」とハッパをかけ、結果的にオールパーで14番をホールアウト。続く15番からチャージをかけたかったが、その15番で2メートルのバーディパットをショート。

すかさず「優勝争いしている訳じゃないのに、なんですか!!」とキレ気味に言った。ま~半分は師匠の気を引き締め直すつもりで言ったのだが「うっせーなー!!わかってるよ!!」と喧嘩モードに…。他のプレーヤーは日本語解らないので??状態。でも、この怒りが次のホールから活きるのを知っている。

16番、強気で打ったバーディパットはカップに蹴られるがオーバー目だったので良い兆しと感じた。続く難しい17番もショットは完璧だったが、これまた惜しくもバーディーを逃してしまう…。

そして最終18番、3メーターのバーディパットが残った。

これが入ればトータルアンダーパーになるパットだ。

打てばあまり切れないと判断した俺は「しっかり右カップ淵に打てればいいだけです、昨日あれだけ練習したでしょ」とアドバイスをしてそのパットを見守った。

ギャラリーが注目する中、パターから放たれたボールはゆっくり吸い込まれるようにカップの中へと消え、歓声が沸き起こる。

青木功のプライドと昨日の練習の成果、そして5パーセントぐらい俺のアドバイス!?で入れたパットだったと思う。

この日は3アンダーでホールアウト。トータル1アンダーは28位タイ。かれこれ30人抜きを果たしたようだ。

明日もこの調子でがんばりたいものだ。

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